映画感想 ドラえもん のび太の創世日記

( ^ω^)<ネタバレ注意!








 久しぶりに「子供が知らなそうなリアル知識」が語られる一作。
 そして物語そのものがそうした知識に準じている
 珍しい作品にもなっている。
 ちなみにこの方式は今回が最初で最後。

 厳密には「翼の勇者たち」でも鳥人の知識が出てきているが、
 豆知識が物語に影響を与えるのは今回までであり、
 本作以降のドラえもんはすべて
「夢と希望であふれた架空の世界を冒険する」だけのつくりになっている。
 ドラえもんとかいう青ダヌキのいる世界観に
 不思議なリアリティを与える良い演出だったと思うのだが……。

 まあ最後だけあって、その豆知識そのものが
 話の主軸になってるので十分か。



 のび太が新しく地球を1つ作る。
 ひいては「地球の歴史」を題材にしたお話しとなっている。
 このあたりで体調を崩してたらしい藤子先生が
 晩年の手塚治虫先生が書いてた火の鳥に似たような話に
 いきついたのはただの偶然だろうか。


 いきなり「創世記」の一説から物語は始まる。
「アダムとイブが知恵の実を食べなければ、
 僕たちはずっと遊んでいられた」。
 まさにその通りである。
 ドラえもんの世界観、ひいてはのび太の世界観と
 創世記を、冒頭数分でつなげてくれている。

 出木杉君はともかく、しずかちゃんもスネ夫も
 妙に頭のいいことをしている。
 ちょっと違和感のある立ち上がり。
 一番の違和感は半ズボンのジャイアン。


 のび太の夏休みの課題のために「創世セット」という
 道具を買うのび太。
 本作はすべてこのセットの中でのお話となる。
「夢幻三剣士」といいこういう道具のなかで終わる話は
 改めて考えると微妙かな…。
 でも三剣士も本作も、途中でそれを忘れるくらいには
 うまくできてて安心。

 宇宙の始まりから少しずつ作られていく世界。
 どうでもいいけどこのシーン、
 宇宙が出来てから地球が出来るまでの間は
 早送りで飛ばしているものの、
 おそらくちゃんとやっていると思われる。
 つまり未来の世界では宇宙の成り立ちも解明されてるんだ。
 俺も死ぬまでには知りたいなあ。


 地球が少しずつ出来ていく過程は楽しい。
 恐竜が出来たかと思えばあっという間に絶滅する。
 淡々とした進行が
「観察道具」っぽくていい。
 途中、進化光線銃を虫に向けてうっちゃったところで
 本来の地球とは少しずつかけ離れていくわけだが
 これはしばらく覚えてなくていい。


 原始時代から太古、神話時代。平安時代と
 さまざまな時代をオムニバス形式で話しは進む。
 そのなかに絶妙に「昆虫」が紛れ込んでいる。
 これらは「やまたのおろち」「竹取物語」「雀のお宿」と
 創作話に紛れこまされており、
 伏線として非常に上手い。

 こうした「ファンタジー」が最後「現実」に収束するあたりは
 藤子先生らしいSF設定である。
 個人的には、ドラえもんには
 こういうのを求めてるのでうれしい。


 昆虫族はなぜかタイムパトロールと張り合っている。
 今回に限ってタイムパトロールは完全な無能である。
 まあこいつらは有能なほど邪魔なのでいい。
 今後も是非とも話を邪魔しないでいただきたいものである。

 話を聞いていると、ようするに
「竜の騎士」に出てきた地下世界を
 恐竜族でなく昆虫族が手に入れた世界線らしい。
 ただし竜の騎士たちに比べてちょっと乱暴。
 人間の科学が遅れてるから滅ぼそうとしだす。

 このあたりからちょっと設定がグダつく。
 セットの中の存在である昆虫人が現実に出てきてたとか
 映像とのび太たちの時間軸が一定しないとか。

 まあここら辺は厳密に決めてしまうと
 マトリックス的な世界の連続性もしくはパラレルワールドの
 解説まで行ってしまうので
 細かいことはいいっこなしでいいだろう。


 作り自体はしっかりした名作である。
 ただ最終決戦が微妙だったり、
 一貫したゲストがいなかったりと、
 娯楽性が低い。


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