映画感想 ドラえもん のび太のパラレル西遊記

ネタバレ注意!!






 本作から「ドラえもーん」からのOPに至るスタイルが始まる。
 OPは3Dを使ったスタイルである。
 これ当時にしては結構すごかったのではなかろうか。

 メタネタの気になり始めたドラえもんだが、
 本作でも脚本家のもとひら氏が
「もとひら君」というキャラクターで出演しているなど
 スタッフの悪乗りが見られる。
 やっぱりこういうのはドラえもんではやめてほしいと思うのは
 わがままだろうか。


 偶然目撃した、のび太そっくりな孫悟空の姿。
 それを確かめるべく過去に戻ったところ
 過去の世界に恐ろしい妖怪たちを放流してしまい
 現代の歴史が変わってしまう。
 タイムパラドクスを利用したなかなか面白い題材の本作。
「現代改変」というのは過去に例がない。

 のだが、
 本作最大の不幸は、この前の作品として
「僕、桃太郎のなんなのさ」が公開されていることだろう。
 タイムマシンを利用した
「自分のこれからを過去の自分が見ている」というトリックは
 この桃太郎とまったく同じであり、
「のび太そっくりな孫悟空」という時点で
 だいたいオチが分かるのである。
(もっといえばこうしたタイムパラドックスネタは、
 もっとヒネった形で「魔界大冒険」すでに使っている)

 しかもそれが本作最大の売りなため、
「孫悟空がのび太そっくり!?」という点を宣伝で強調している。
 宣伝の時点ですでにトリックが分かってしまうのである。
 本編を見始めれば「タイムマシンにつけた新機能で時間がずれる」という
 さらに分かりやすい伏線があって、
 さすがに子供でも一番の売りが分かってしまうだろう。


 とまあ宣伝段階で微妙な感じの本作だが、
「ゲームを実体験できる不思議道具」
「ガチで破壊されてしまった現代」
「分かりやすい敵に対し、倒すのが義務付けられるのび太サイド」と
 わくわくさせる要素がそろっている。
 主題歌「君がいるから」も激烈にかっこいい。


「夢幻三剣士」と並ぶカッコ系の名曲である。

 西遊記のなかでも三蔵法師だけは実在の人物という点が
 豆知識であると同時にうまくストーリーに絡んでいる。
 歴史改変後の世界は「魔界大冒険」に匹敵するほど怖く、
 薄暗く不気味な世界。
 角の生えているパパママ、トカゲのスープ、
 襲ってくるコウモリなどとにかく怖い。

 こうして充分溜めの利いた後は、歴史を元に戻す戦いが始まる。
 今回は「冒険」が薄い分この「恐怖と戦い」が
 非常にうまい具合に配合されていて良い。
 中ボスである金閣銀閣はドラえもんがあっという間に片づけ、
 しかしラスボス牛魔王にはドラえもんすらやられてしまう。
 シンプルだが良い強敵バランスである。

 好転のきっかけが
 いきなり伏線もなく現れるドラミちゃんというのが
 タイムパトロール並みの空気読めなさでちょっと……だが、
 その後ののび太VS牛魔王が熱いのでいいだろう。
 溶岩に包まれる場での最終決戦は
 ドラえもんでもめったに見ない盛り上がり方。
 脱出シーンでかかる主題歌も熱い。


 全体を通してみれば、大長編でもとくに
 ブラッカイマー的というか、
 娯楽的、男の子向けに作られた一作。
 頭を使わず見たい作品。
 シナリオ的には、ドラえもんが道具を使わない。

 リンレイは結局ゲームの中の人物だったのか分からないなど
 ところどころ甘い部分もあるが、
 全部ごまかせるだけの勢いはある。


 あとどうでもいいが、本作でしゃべるようになったタイムマシン。
 声優はもちろん演じ方まで含めて
「海底鬼岩城」のバギーと同じである。
 やっぱりバギーは当時人気があったんだろか?


 あとウィキペディアにもある通り、
 金閣銀閣との戦いでドラえもんがひょうたんに吸い込まれたシーン。
「もうすぐ溶けるぞ」のところで、
 金閣と銀閣の色指定がまちがっている。
 これ、小さい子は気づいてしまうだろうか。
 気づきそうにないポイントにも思えるが、
 僕は20年以上前に初めて見たとき
 なんかおかしいと思った記憶があるので
 意外とたくさんの子が気付いてしまうかも。
 DVDでは直されていないのを確認した。

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