映画感想 ドラえもん のび太の宇宙開拓史

≪ネタバレ注意!!≫ 



 冒険の舞台はジュラ紀の地球から他の惑星へ。
 敵は恐竜ハンターから宇宙の地上げ屋へ。
 守るべき対象は恐竜から星ひとつへ。
 前作のび太の恐竜から、正しくスケールアップした一作となっている。
 別にスケールが大きくなれば楽しくなるわけではないが。


 ドラえもん映画における見どころは、個人的に大きく5つあると思う。

1.ドラえもんのチート封じ
 ピンチを描くためには、あまりにも何でもアリな
 ドラえもんの存在が邪魔となる。
 しかしドラえもんがいなくては
 ドラえもんという作品がなりたたない。
 このため、チート力をいかに自然な形で封じられるか。

2.のび太の有能化
 タイトルが「のび太の~」である以上、
 映画版の主役は間違いなくのび太。
 ただのび太のスペックは無能が基本となっている。
 これをいかに活躍させるか

3.豆知識
 映画の題材となる分野に対する、
 ドラえもんや出木杉君による解説。
 子供たちが自然とマメ知識を得るとともに
「現実世界」から「ドラえもん世界」を通じて
「大長編の冒険世界」に入りこめるきっかけになる。

4.ジャイアンとスネ夫の扱い
 後半に行くほど大きくなる、
 ジャイアンの大物化、スネ夫の小物化。
 これが許容できる範囲か否か。

5.敵
 ドラえもんという作品内にちゃんと適した形で、
 魅力的かつ悪逆な敵役がいるか。


 このうち本作は2.のび太の有能化に特化した作品となっている。
 まず舞台となる惑星は重力が薄いため、
 のび太たちが何十倍もの力で動けるという設定である。
 ドラゴンボールで初登場のベジータが強かった理論で、
 このためのび太たちは何の努力もなくスーパーマンになる。

 そして後半は、突如明らかになった「のび太は射的が上手」という設定から
 凄腕の殺し屋との一騎打ちに勝つというものである。

 前半のスーパーマン化は説得力があるし、
 射撃上手も別にいい。
 ただ殺し屋との一騎打ちにも怯まず挑むのび太というのは
 さすがに違和感である。
 何かドラえもんの道具で身の安全が保障されているなり、
 こちらは殺す気がないのだから
 向こうも安全な銃で「純粋な撃ちあいを挑んでいる」という
 設定にするなりしてほしかった。
 そもそもドラえもんの世界観に
「殺し屋」という職業は似合わない。


 前半の開拓シーンもドラえもんによる道具などがなく、
 ドラえもんらしさの弱い一作。
 単純な西部劇として楽しむべきだろうか。

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